平成29年9月のまとめ 晩秋のトマト管理

Aブロック、9月の様子
Aブロック、9月の様子

今年の9月は、本当に辛かった・・・・
一般の人は、8月が、曇天でも、雨が降ってないから
そんなに酷くないと思ってるようですけど
トマト農家的には、花が飛んでしまったから、大打撃です
僕らは、花屋と同じなのです
立派な樹を作っても、きっちり管理出来でも
肝心な花が咲いてなければ、まったく無意味ですわ
花が咲いて、実が付いて、なんぼの世界ですからね

今年の9月は、花もすくないし、実も付かなかった
玉伸びもイマイチの、大打撃でした
ちょうど、なりつかれの時期と重なってしまって

ほんと、そこの所の対策を幾重にも考え無ければ、ならないという・・
これは、今やらねばならない、
技術改良の最重点項目の一つなのですね。

Aブロック、9月の様子
Aブロック、9月の様子

その一つの方法として、今年は花芽下の脇芽を残し
そこに、花房を一つ付けてから、切りました
これは、意見が分かれます
花芽下の脇芽を伸ばすから、その段の花芽が飛ぶと言う意見
花芽下の脇芽を伸ばすと、成長ホルモンが出て根が出るという意見
僕の個人的印象では、樹勢に余裕があれば、花は飛ばないです
ただ、両方付けても、小玉になりがちですね・・・
いろいろ補ってやらなければ、脇芽の花が落ちる事も多いです
でも、今年の場合、幹の花芽が飛んでしまったり、実が落ちてしまうんです
そういうときでも、脇芽の花って、残る確立が高いんですよ
なので、花芽も飛びましたけど、飛んでも飛ばなくても
ほぼ、2~3段程度、脇芽を残しました・・・
結果は、問題無く伸びました・・・・
特に花芽が飛んだ場所の脇芽の玉は、しっかり着きます
飛んで無い場所の、幹の花芽の玉は、小玉になりがちでしたけど
両方、なんとか、着いてます
まあ、時期的には2段ほど遅れますね

Aブロック、脇芽の様子
Aブロック、脇芽の様子

脇芽の玉が着いて、伸びてきて、重くなると

全て、脇芽をヒモで支柱に吊らないと、折れてしまいますね
だから、作業量が半端じゃありませんけど、背に腹、かえられません
本体の幹の実は、飛んで無かったり、1果、2果なのに
脇芽は4果、5果着きましたので、結果としては
時期はずれますけど、ある程度は収量を補ってくれますね
もちろん、全ては無理ですね、両方飛んでしまった樹もあります
それでも、10月の残玉量は、普通の生産者の倍量ありそうです
時期的に単価の低下は、避けられませんけど
少しでも補えれば、良いと思います

しかし、通常の、肥培管理
産地のマニュアル通りでは、たぶん、駄目です
若手が、やってみたけど、脇芽の花が良くなかった
全部飛んでしまった・・・とか、言います
水も、肥料管理も、それなりに増やす必要があるし
根を張らせる事は、8月だって、意識しないとなりません
それに、やっぱり、ターボを掛ける必要があります

もし、これを実行するなら
GB資材、アブシジン酸、フルボ酸とか
有機酸、糖類、アミノ酸の、高性能資材を
大量に投じて行く必要は、あると思います
その、ノウハウは、自分で試行錯誤して
手にいれるしか、無いですね
マニュアルなんてありませんから


あさ、収獲中に、気が付いたら、隣の畝で、モグラが動いてました
モグラが、必死にマルチを食い破り、穴に引き込んでました
スマホじゃ無いから、映像が撮れませんでしたし
それに、槍でも持って無いと、仕留める事もできません

足音で気が付くかと思ったけど、2mも離れると、気が付かないんですね
そおっと、近づいて、あと、数㎝で、穴の中に逃げられましたわ
次の日になったら、この有様・・・

なんだろ、寝床にでも使うんでしょうか?
この下に、コロニーでもあるんでしょうかね?
また、農閑期に、水没させるから、下なら
水攻めできますけどね・・・・

穴に、木酢溶かした水を流してこんでみたけど
まったく、無意味でした・・・・
もお~・・・・・


病気だと思われる、カモシカの子
病気だと思われる、カモシカの子

カモシカ飼ってます・・・・・

ウソです、天然記念物ですから、飼えません
でも、やつら、以外に人を恐れません
人が手を出してこないこと、知ってるかの様です
これは、病気のカモシカの様です
病気でフラフラです、まるで、食べ物、頂戴?って感じで
庭先にうずくまってました・・・・
犬のエサが目的かもしれません?
こう言うとき、天然記念物なので関わりたく無いですから
放置しときましたら、そのうちいなくなりましたけどね
野生ですから、うっかり手を出すと
危ないですからね、触らないで、放置が一番です
狩猟鳥獣なら、もちろん・・・・有害捕獲しますけどね

庭先でうずくまる、カモシカと、犬・・・
庭先でうずくまる、カモシカと、犬・・・

僕の場合・・・・
写真の様に、9月に入っても低段の枝葉は、取り除きます
これには、シルバー人材の人手を借ります
もちろん、パートも必要です
9月に入ると、放置する人も多いですけど
僕は、金をかけても、下葉を欠きます
そうしないと、下葉が枯れてきますし、カビの巣になります
地面に日が当たると、地温が維持できます
風通しも良くなり、玉も伸びます
時間があれば、10月でも、玉出し作業を行います

摘芯は、マニュアルだと、早いですけど
それは、選果場運営に合わせた時期であって
11月の気温によっては、どこまで出荷できるか
判らないので、僕は、賭けで、あと、2段余計に残します
10月の玉も、とにかく伸ばして、しっかり出荷します

産地的には、10月後半は、冬春トマトが出て来て単価も下がるから
もう、さっさと、片付けて、アルバイトに行った方がいいよ・・とか

言われる事が多いです
9月で勝負は終わりの様です・・
でもね、それじゃ厳しいんですよ・・・
9月が不調なら、まったく稼げないで終わってします
なにやってるのか、判らなくなりますよ
10月も、11月も、精一杯お金にする
そういう、粘りが必要ですよ

その、思いの差が、9月の管理の差になるんじゃないでしょうか

というか、営農すべてにおいて、思いの差ってのを感じます
トマトで生活したいから、どうやったら、利益が出せるのか?
どうやったら、収量あがるのか? おいしくなるのか?
どこへ、どうやって、売ったら良いのか?
そのために、どうしたら・・・・
どうやったら、どうやったら・・・・
そういうの、常につきませんよね?

だから、役員会でも、意見を出し、企画書提出し
みんなで、話会える仕組み、空気を作ろうと試みてるし
自分自身でも、自分で売る方法を模索し、実行し
流通の仕組み、販売の仕組みを学んできてるし
お客様に選んで欲しいから、より美味しくする方法を
探しだし、それも研究して、実行する
ごく当たり前の行動をしてるだけなのに
組合からは、既存の否定、今まで作り上げた
システムを破壊してしまうと言われ、排除されてしまう・・・・

レイカの方が利益率高いのに、桃太郎を絶対視して
作り続ける思考ってのは、すでに、食べて行く事に反する
僕はそう考える、現状で、桃太郎にこだわる人が
組合を引っ張れるわけ無いだろう? これが本音です
こだわるあまり、自由な議論すら、しようとしないからです
否定の倫理ばかり、全面にでてしまうからです
今まで作りあげたシステムでは、行き詰まってると思うし
このままじゃ、じり貧になると予想できるけど
あきらめたのかなんなのか、変えようともしない

今、本当に産地を引っ張れるのは、僕の様に
自分を変える事を恐れずに、挑戦し続けてる
農家じゃないでしょうかね?

そうはいっても、やっぱり排除されますね・・・・
それでも、僕は、トマトで食べて行くつもりです

頑張ります!!