訪問、見学、交流、IN 下呂市 

付知町の道の駅 花街道付知にて
付知町の道の駅 花街道付知にて

上矢作町トマト組合の集荷休みの日を使い

近隣の下呂市のトマト農園、2軒の見学に行ってきました

 

この2軒に見学に行った理由は、2軒とも、農協に出荷していない

独立系農家であり

それぞれ規模も経営方針も違っており

 

ちょっとした縁から、友達になれたので、今回、見学に行きました

 

最初に断っておきますが、

独立系農家を見学に行ったから、独立したいわけでは無いのです 

 

独立系農家は、誰も守ってくれない、どこにも頼っていない

自分自身で戦って、商売している

気概と覚悟が違う

ここから、学ぶ事は多いのです

 

僕自身、今すぐに、独立したいわけでは無く

この、不景気の危機的状況のなか、どうしたら生き残れるか

そいういう、危機感が僕を動かしている、だから、学びに行くのです

どんな事を考えながら経営してるのか?

僕は学ばなくてはいけないのです

それを、なんやかんや言う人がいたら、それこそ、何を考えているのか?

もし、それが組合役員だったら、最悪ですね、いないと思いますけど。

 

農家は、常に、栽培技術も、経営技術も、いろんな事を学ぶ必要がある

つねに、進化していないといけない、だから、僕は、年に何回も

個人的に、見学に行き、相手からいろいろ吸収させてもらいます

 

人から学ぶのは、楽しいですよ、だから、個人視察はどんどん行います。

 

 

 

大黒屋農園にて

下呂市にある大黒屋農園

トマトだけでも約2町歩

菌床椎茸15万ブロック

中国人研修生を常時6,7人雇用し、地元の人間も7人くらい雇用している

なんで、数字が、くらい、とかなのかは、案内してくれたのは婿さん、なのですが

細かいこと、精密に聞き込みしてませんし、こたえてもいない

数字はおおざっぱです。 農家同士なので、そこを取材するつもりも無い

経営方針や、考え方、実際のトラブルなど、見学しながら、世間話をするのが

目的です。細かい聞き込みはしませんし、必要無い・・・・

というわけで、巨大です

大黒屋農園の婿さん、曽我悟氏とツーショット
大黒屋農園の婿さん、曽我悟氏とツーショット

驚いたことに、ハウス群のハウスは全部、規格がバラバラ

聞けば、社長が、友達の鉄工所と組んで、自分で立てた物だとか

鉄骨の規格も、汎用品では無く、自分で組んだ物だそうで・・・・

実際、庭先で、社長の曽我さん自ら、次の新設ハウスの鉄骨を加工してました

 

鉄骨屋かっつーの・・・・内心、びっくり

聞けば婿さんも、自動巻き上げなどの設置、配線、屋根のビニール張りなどの

施設維持が主な仕事だそうで、そう聞くと、彼が農家よりとび職に見えてきた・・・・

 

とりあえず、手近なハウスに入り、見学

 

もう、通路の先がかすんで見えない・・・・長い・・・・長い

 

品種は、レイカ、みそら64

 

1列1条植えで、1列がとにかく長い、端っこがかすんで見えない・・・・

これを消毒したり、収穫するのは、うーん・・・・

 

灌水装置はマルチ下散水パイプ2条で、施肥は仕込みタイプで

液肥による追肥はしないそうです

 

技術的な事は、肥料とコンサルをしてくれる会社に1任し

土壌分析から土作り、施肥まで一貫して、指導を任せているそうです

消毒などは、専門の人間がおり、毎日、順番に消毒作業をしてるそうで

 

この、婿さんは、施設の管理が主な仕事で

どこに何が植わってるのか、栽培については

全部、把握してないそうで、栽培管理は、それ専門の担当がいて

栽培してるそうです

 

この大黒屋さんは有機栽培が売りで、化学肥料は無使用だそうです

無農薬栽培というわけには行かないみたいですが

他に有機栽培認証も取ってあるようです

そこらあたりは、ざっくりしか聞いてませんので・・・・

 

ハウスの形状は、拡張している時期により、いろいろあるそうで

ほとんど、自己施工の自己規格で、いろんなタイプがありました

ビニールの巻き上げなどは、ほとんど電動で、婿さんが、自分で施工したそうです

モーターも韓国製のもので、値段も、発注数が違いますから、当然安いです

施設を全部、業者に出すのと、自己施工では、その投資金額は倍以上違うので

ここらのコスト削減は、さすが~としか言いようがありませんでした。

栽培に関しての僕の感想は、全部誉めたいとこですが・・・・

実は、大黒屋さんを指導してる肥料屋と言うのが・・・・

僕が再三ブログやHPで警告してる、堆肥の害、それに関連して

喧嘩した、○○○○○ーム社だったのですね、この会社は、

僕は信用していないので、コメントできません 

 

婿さんに言わせると、以前の会社より、トマトの食味は良くなったと言ってました

それなら良いのです

樹を見る限り、良いとも悪いとも言えません

ただ、僕の感想は、樹が終わるのが早すぎる・・・・

 

ここは土作りに、堆肥舎があり、牛糞主体に堆肥を作ってるようです

しかし、冬場にも屋根のビニールをはがさないで、散水のみで対応してるそうで

具体的な数値の話は出ませんでしたが、土壌塩類は過剰になっているそうです

 

土だけは、5年10年というスタンスで見ないと分かりません

僕でも、僕自身が、技術の勉強をしながら、土を作っています

土には、その農家の情熱が込められていると、僕は考えています

オーナー自身がそこにあまり手をかけないで、社員と肥料会社に任せきり・・・・

面積が広大だとそんなもんでしょうかね ~

婿さん、早朝からトラックに乗って市場までトマトも運ぶそうです

そのための4tクラスの自社トラックも持っています

社員が帰ってからも、家族で残ったトマトの選果もするそうです 

みんな働き者です・・・・

 

2階建ての選果場があり、選果機も2台、椎茸、トマト用の巨大な予冷庫

トマトのハウスに菌床椎茸の施設 

 

施設はここだけでは無く、他の場所にもあるそうで

ここに来る途中にも、大きなハウスがあったけど

それも大黒屋さんの施設だそうで・・・・びっくり

これから、トマト、椎茸以外にも、手を広げるそうで・・・・

いったいどれほどの規模があるのか、施設全部を見ることは

出来ませんでした

 

自宅の他に、中国人研修生とその人たちが住むための寮もあります

 

企業です、農家と言うレベルではありません

 

営業は、営業専門の会社に委託し、直接出荷

その他は市場と契約し、市場に出荷

 

今年は、荷が動かず、販売に苦労したそうです

価格は、固定ばかりで無く、相場にもかけるそうで

あまりの底値に、トマトを1日1t位、捨てた! 日もあるそうです

 

面積は僕の8倍くらいですが、それでも、売れるトマトを廃棄するのは・・・・

損失は小さくはないです

いかに、トマトを自分で販売するのがむつかしいか分かります

巨大な水槽、ポンプ、育苗装置

これだけの規模です、苗も自家播種だそうです

そのための養生室、発芽室、大きな物です

 

ただ、ここは、育苗専用施設は無く

普通の農家のようなスタイルで、本舗を利用して、育苗するようで

専門の高設架台のような物はありませんでした

苗の歩留まりは・・・・ざっくり聞いた話では

普通の農家の育苗に比べても、少し低いようです

 

そこの技術も、社員が担当し、オーナー自身で技術の研究はしてないようで

婿さんも苗については、自分は担当してないから、よく分からない、位の話でした

聞いてる僕も分からなかったです

 

次に菌床椎茸の施設を見せてもらいました

これは、冬場も雇用を維持するため、トマト農家が良く取り入れる方法です

 

15万ブロック・・・・普通の家族農家は3000ブロック程度ですから

50倍くらいあります

 

トマトは、僕らのような個人に対し、8倍です

菌床椎茸は50倍もあります

これは、菌床椎茸の方が面積集約率が高いからだと言えます

菌床は全部購入だそうで、この金額は・・・・でっかいですね。

 

トマトのハウスに、菌床のハウス、実に広大です

トマトの栽培があるうちに、菌床の支度と、今は大変に忙しいみたいです。

 

僕の様な個人に比べ

トマトの面積は8倍、生産量も8倍?

暖房機を使っていないので、夏秋トマトを長期期間にわたって

栽培をしてるわけでは無いようです

むしろ、50倍の菌床椎茸の方が生産量も50倍以上ありそうで

こちらの方が主力に見えました

生産量など、詳しい話は突っ込んでいませんから、推測です

 

トマトがどの程度生産できるは、僕もプロのトマト農家の端くれです

樹を見れば分かります

1本の樹から取れるトマトの量は普通のトマト農家に比べて

有機だけで栽培してる事もあり、決して良い訳では無さそうです 

面積あたりの生産力も品質も、普通の農家と変わらない

単純に8倍の売り上げにはならない 、そう見えました

 

面積を拡大しても、オーナーが畑から離れ

経営に徹する事になると、どうしても生産性は下がるみたいです

見学させていただいて、マイナスの事を言うのは失礼ですが

率直にそう感じ入りました

 

販売価格も有機栽培を売りにしていても、それだけの有利価格で

販売が出来るわけでは無いようです

いかに、自分でトマトを売り切るのがむつかしいか、教えていただきました

特に面積が大きくなると、相対取引でスーパーに納品と言っても

量が大きいから、調整弁的な取引と合わせて、その割り振りは

むつかしいのだな・・・・そう想像できました

 

特に高く売ってるわけでは無さそうですが

集荷、選果、運送を自家で行うことにより、資金回収をしてる

部分は大きいように、見えます

 

大規模トマト農場を目指すなら、こうなるのかなあ~

独立系トマト大手の雄、大黒屋さんでの印象です

 

大黒屋さんの婿さんが、飛騨の丹生川村に

同じように、大面積トマトと菌床椎茸を栽培しながら

出荷は、農協の協同選果を利用し、家族と中国人研修生、数名を使用して

しかも、菌床を自家製造してる農家さんがいて

大黒屋さんとは、規模が同じでも、まったく違う経営をしてる

トマト農家があるから見に行ったら?っと進めていただきました

行きます!・・・・とりあえず、つてが無いので、何とかコンタクトを

取って、来年までには見学に行こうと思います

 

大黒屋さん、忙しい中の見学を受け入れて下さり、ありがとうございました。

 

松田農園にて

大黒屋農園から山一つ越えたところにある松田農園

面積は約30アールと僕より少し大きいだけで

おや夫婦と子供夫婦の4人に、夏場だけのアルバイトを数人雇って

仕事を回している松田農園、ここはトマトのみで菌床椎茸などはやっていません

元は、地元の農協系トマト組合の組合長もやっていた松田さん

20年ほど前から直売の取り組みを始め、最近完全に農協から独立したらしいです

 

選果場も小さなハウスで、机のみ、選果機などはありません

ここから手作業で段ボールに詰めて、ルートの運搬トラックで

愛知県のスーパなどに運びます

その他、地元の直売所、高山のスーパー、市場などに出荷しています

 

ここは、選果出荷はアルバイトを頼みますが、

栽培管理は基本的にオーナー自身でおこなっています

 

今年の低単価の状態でも、相対取引のため、昨年より若干の

安めの設定にはなりましたが、相場のような原価割れはしていないので

まずまずの収益を上げられたそうです

 

ここまで来るには20年間、いろんな苦労があったようで

いろんな話を教えてくださいます・・・・

 

春先は、苗の販売も収益の一つだそうで、トマトの苗だけで無く

いろんな苗を作って売るそうです

今は、冬用のタマネギの苗も作っていました

育苗のための特別な施設はないようで

そのためのコストをかけ無いのが、スモールビジネスの鉄則かもしれません

 

栽培は2条1条2条の5列で、ハウスも普通の雨よけパイプに

サイドビニールをつけただけで、冬はビニールを取って、雨、雪にさらします

灌水はマルチ下点滴タイプです

松田さんも堆肥を作っており、土作りに使用するそうです

ただ、昔と比べると、今は三分の一程度しか入れないらしいです

今年は、今まで青枯れが出なかったのに、最近発生しだし

かなりの量のトマトに青枯れが発生したみたいで、来年から

青枯れ対応の台樹を使用するといってました

 

相場にさらされて居ない分、収益は栽培にかかっています

規模も小さく、相対取引だけに、栽培の安定性が求められます

そのために、栽培には、オーナー本人が当たります

 

営業も、委託では無く、オーナー自身で行っているらしい

20年の歴史があるので、ある程度

横から横でつながっていくことも多いらしいです

それでも、息子が継ぐ将来を考え、次の手を考えてかないと

いけないと言ってました

 

大切な事です、今、契約で売り切っているのに

何時、切られるか分からない、次の手を考え続けないといけない

松田さんはそう言います

 

大切な事かもしれません、学ばせていただきます

 

大黒屋さんと違い、小規模なスモールビジネスに徹していて

息子さんが後を継いでも、規模拡大をしようとしないで

確実な販売を考えている経営方針

量も少ないから、金額も少額ですが

道の駅でも、市場でも、トマトを、大方、原価割れしないで

売り切ることが出来る見たいです

規模拡大しないで、家族が生活できるだけの、収益を上げる

そういう経営に徹するのは、僕としても参考になりました

 

松田農園さん、忙しい中、ありがとうございました。

感想

感想

大黒屋さんは、常に毎年、何らかの規模拡大をしているみたいです

僕は、自力拡大とばかり思っていましたが

聞けば、国と県の補助金を相当額、取得してるようです

 

補助金と言うのは、もらうためには、雇用の増加、施設の拡張

つまり、拡大しないともらえません

僕も、育苗施設の新設に、補助金が無いか調べたのですが

雇用が増えないなら、補助は無いそうで・・・・・

米などを生産するのに、用地を集約して規模拡大するなら

機械などを買うのに、補助金はたくさんありますが・・・・

トマトでも、拡大して、雇用を増やすなら、補助金がありますが・・・・

1農家が、生産性と収益率の改善を行うだけなら、当たり前ですが、補助などありません

つまり、補助金を常にもらうためには、常に拡大し続けなければなりません

収益率はその中で、自分自身で改善をしていかないといけません

 

松田さんは補助を使わず、生産性と収益改善を個人の努力で行ってきた

小さな経営、スモールビジネスです、地味な経営とも言えます

これで、農家はベンツなどは、なかなか買えません

 

大黒屋さんは、補助も利用しながら、常に拡大をしている、ビックビジネスです

経営者は、経営者らしく、かっこいいです、ベンツだって買えるのかもしれません

 

しかし、収益率はどちらが良いのか、でかければ、

動く金もでかいから、簡単に比較出来ませんが

農業のように、天候や相場、栽培に左右される事業において

でかければでかいなりに、リスクも大きく

つぶすと影響があるから、金融機関も融資してくれるでしょうし

資金を借りながら回して、しのぐことも出来るのでしょうけど

常に拡大し続けるわけにはいかないでしょうし・・・・

一つ、一つの事業の収益を上げる努力は

規模がでかくても小さくても必要だと、思いました

 

大規模経営でも、必ずしも、盤石では無さそうだ・・・・そんな印象を受けました

 

僕の様な、個人就農者は

黒屋の曽我社長さんのような、度量も器も無いから

ばんばんーと、大金を動かし、1代で大きな農場を作ることなど、とうてい無理

仮に出来ても、僕のような、小物は、たぶん毎日不安で寝られなくなる

 

ベンツには乗れなくても、家族が食べていける収益を上げられて

大手のトマト農家が何件出てきても、負けないだけの収益率を

上げる努力をする方が、僕のような、小さな人間には向いてるなあ~

そう感じました

 

これだから、視察見学は良いのです、見に行かないと分からない

 

中国人と日本人だって、相手の国に見学に行けばよく分かるのです

百聞は一見にしかず・・・・

 

農家こそ、他を見学し、学び、人間関係のパイプを作って

情報を交換し、自分の経営方針を定め、経営の足腰を強くする

そういう、努力をしていかないといけないのです

これからは、今まで通りにやっていても、生き残れないかもしれないのです

規模の大小ばかりでは無いのです、足腰の強さこそ大事です

 

僕は、見学に行くたびに、いつもそう感じます。

 

このブログ、まだ2,3日、手直しします・・・・

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コメント: 8
  • #1

    angel of death (土曜日, 18 5月 2013)

    大黒屋婿バカ

  • #2

    社長を知る一人のひと (水曜日, 23 10月 2013 22:05)

    社長と直接会って聞いほしいと感じました。

  • #3

    名無し (火曜日, 06 5月 2014 19:21)

    婿さん、逃げていきましたよ

  • #4

    関係者 (土曜日, 08 11月 2014 21:24)

    ブラックだよ

  • #5

    名無し (日曜日, 01 3月 2020 22:22)

    まちがいない

  • #6

    名無し (木曜日, 11 6月 2020 20:43)

    ただの地元だけの農家。馴れ合いだけ。農業に真剣ではないな

  • #7

    匿名 (木曜日, 02 7月 2020 22:39)

    ハウス建て過ぎて、家の周りが日当たり悪い

  • #8

    諾名 (日曜日, 26 7月 2020 21:47)

    トマトはそれなりに。そんな感じでした。